帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、体内に残った水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる皮膚疾患です。子供の頃に感染した水痘(水ぼうそう)のウイルスが神経に残っていて、抵抗力が落ちた時にウイルスが活性化して発症すると言われています。体の片側に帯状に広がる発疹・水ぶくれが現れるのが特徴で、皮膚症状が出る前に数日ほど痛みが続くことが多いです。
帯状疱疹の後遺症
帯状疱疹の皮疹が治癒した後も数か月以上痛みが続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と言います。痛みの性質は、持続的な灼熱感や刺すような痛み、軽い接触でも強い痛みを感じるなど様々です。
高齢者や重症の帯状疱疹患者に多く見られ、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。症状がひどい場合は、神経ブロック療法や薬物療法など、専門的な痛み管理が必要となります。早期の適切な帯状疱疹治療がPHNの予防に重要です。
帯状疱疹の症状
- 皮膚の痛み・違和感
- 帯状に広がる発疹・水ぶくれ(神経に沿って体の片側に広がる)
- かゆみ・灼熱感
- 発熱・倦怠感
- 痛みの持続(発疹が治った後も続くことがある) など
ウイルスが活性化する原因
- 加齢による免疫力の低下
- ストレス・過労
- 他の疾患の影響 など
帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療では、再活性化したウイルスの抑制と痛みの緩和をメインに行います。早期発見・早期治療により、症状の軽減やPHNへの進行を予防することが可能です。初めて発症した時には皮膚病だと気づきにくいのですが、原因不明の皮膚の痛みや発疹に気づいたら、すぐに当院にご相談ください。
薬物療法
抗ウイルス薬
体内のウイルス増殖を抑える薬を使い、症状を抑えます。
痛みの管理
痛みの緩和のために鎮痛剤を処方します。痛みが非常に強い場合にはペインクリニックをご紹介し、神経ブロック注射などの施術をご提案することもあります。
帯状疱疹の予防
免疫力を下げない
帯状疱疹は、加齢やストレス、他の疾患などによる免疫力の低下がきっかけで発症します。予防には免疫を低下させないよう体調管理が重要です。
- 規則正しい生活を送る
- 適度な運動を心がける
- ストレスや疲労を溜め込みすぎない など
ウイルス感染を防ぐ
帯状疱疹自体は他人にうつりませんが、ウイルスの感染は起こります。特に小さなお子様には水ぼうそうのリスクとなりますので、帯状疱疹の症状が現れている際のお子様との接触には十分ご注意ください。
予防接種
帯状疱疹は予防接種によってある程度の予防が可能です。免疫低下による発症率は50歳から
高くなる傾向にあるので、対象となる方は帯状疱疹予防ワクチンの接種をおすすめいたします。