hyperhidrosis

多汗症

多汗症とは?

多汗症とは?

多汗症は、日常生活に支障をきたすほど過剰に汗をかく状態を指します。特に暑くなくても大量の汗をかくのが特徴で、単なる汗かきとは異なります。身体的な不快感だけでなく、社会生活にも大きな影響を与える可能性がありますので、早めの治療をおすすめいたします。

多汗症の症状

  • 暑さや運動とは関係なく大量の汗をかく
  • 汗で衣服が濡れる
  • 握手や物を持つことが困難
  • 皮膚のふやけや悪臭
  • 汗や汗染みによる恥ずかしさ など

多汗症の種類

多汗症は、体の特定の部位のみに起こることもあります。その場合、部位に応じて以下のように分けられます。

腋窩多汗症

脇の下に過剰な発汗が生じる状態です。衣服の汗染みや体臭のお悩みにつながりやすく、社会生活に大きな影響を与えることがあります。

手掌多汗症

手のひらに過剰な発汗が生じる状態です。握手や書類の取り扱いなどに悪影響が及ぶため、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。

足底多汗症

足の裏に過剰な発汗が生じる状態です。靴下や靴の中が常に湿った状態となり、足のむれや臭い、さらには水虫などの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。

頭部・顔面多汗症

頭部や顔面に過剰な発汗が生じる状態です。髪の毛が濡れたり化粧が崩れたりするため、社会生活での不安や恥ずかしさにつながりやすい症状です。

多汗症の原因

  • 自律神経系の過剰反応
  • 遺伝的要因
  • ホルモンバランスの変化
  • ストレスや不安
  • 甲状腺機能亢進症などの基礎疾患(二次性多汗症) など

多汗症の治療

多汗症は、主に薬物療法によって治療を行います。大きく外用薬・内服薬・注射があり、多汗症の部位や患者様の体質、症状に合わせて使い分けます。

なお、内服薬は局所療法に比べて副作用があるため、局所療法で効果のない方に行う治療です。 また外用剤が外用できない頭部や顔面では、内服薬の治療を選択することがあります。

抗コリン薬外用(エクロックゲル・ラピフォートワイプ)

多汗症の原因となる特定の汗腺(エクリン汗腺)に作用する薬です。これによって汗の分泌を抑えることで多汗症を治療します。脇の多汗症に対して保険適応があります。通常の塗るタイプ(エクロックゲル)と、使い切りのシートタイプ(ラピフォートワイプ)があります。

ボトックス治療

ボトックスとは、ボツリヌス毒素(ボツリヌス菌が産生する毒素)から抽出した成分を用いる治療です。皮下にボトックスを注射して、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックすることによって発汗を抑えます。こちらも一部の脇の多汗症に対して保険適用があります。

内服抗コリン薬(プロバンサイン)

神経系に作用する内服薬で、多汗症治療への保険適用があります。神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げ、発汗の指令伝達を阻害することで発汗を抑制します。