腋臭症とは?
腋臭症(わきが)は、腋窩(脇の下のくぼみ)から悪臭が発生している状態です。通常の体臭とは異なる独特の匂いを放つので、匂いによる精神的ストレスや周囲からの反応で人知れずお悩みの方も多いのではないでしょうか?
社会生活に支障をきたすこともある腋臭症ですが、適切な治療により症状を大幅に改善できます。腋臭症はデリケートなお悩みですので、患者様のプライバシーに配慮した診療を行います。
「体臭が強い=腋臭症」ではありません
腋臭症の主な原因は、脇のアポクリン腺から出る汗にあります。汗そのものは無臭ですが、アポクリン腺の汗に含まれる成分(脂質、タンパク質、糖質、アンモニアなど)が皮膚表面に存在する常在菌により分解されることで、独特の匂いが発生するのです。
アポクリン腺の数は個人差が大きいため、この数が多いと腋臭症を発症しやすいと言えます。よく「体臭が強い=腋臭症」と勘違いされますが、これは誤りです。
腋臭症の症状
- 脇からの強い匂い(独特の酸っぱい臭い・甘酸っぱい臭いなど)
- 匂いが衣服に染み付く
- 匂いによる精神的ストレスや社会生活への影響 など
※腋臭症は多汗症を伴うケースも多いです
腋臭症を発症する原因
- 遺伝的要因
- 皮膚常在菌の増殖
- ホルモンバランスの変化
- 生活習慣の乱れ
- ストレス・緊張 など
腋臭症の治療
治療法は症状の程度や患者様のご希望によって異なります。軽度の場合は保存的治療を行いますが、症状が重い場合や保存的治療で改善しない場合は手術を検討します。
保存的治療
- 制汗剤・消臭剤の使用
- 脇毛の処理
- 洗浄とスキンケア
- 衣服の選択(通気性の良い素材など)
- 食生活の改善 など
手術
アポクリン腺の切除
現在多くの病院で行われ、効果の出方が比較的安定している手術です。脇の下を1~2か所ほど、約5cm切開し、皮膚を裏返すと粒状に並んだアポクリン腺が現れます。その1つひとつを目で確認しながら切り取っていく方法です。
手術は局所麻酔で行い、多くの場合日帰りで可能です。術後は一時的な痛みや腫れが生じますが、適切な処置と経過観察により、症状の大幅な改善が期待できます。